おだやか読書日記

ミステリとかファンタジーとか

レックス・スタウト『編集者を殺せ』(ハヤカワ・ミステリ)

仕事の多忙と体調不良で本が全く読めなかった期間が長かったので、あまり重すぎない古典ミステリを読みました。ものはネロ・ウルフシリーズの長編作品。 ウルフとはライバル関係のクレイマー警部がある事件の被害者宅にあった名前を羅列したメモについて意見…

出久根達郎『出久根達郎の古本屋小説集』(ちくま文庫)

収録作品 古本屋のにおい 「猫じゃ猫じゃ」 「カーテンのにおい」 「書棚の隅っこ」 古本をあきなう 「おやじの値段」 「腹中石」 「紙魚たりし」 「背広」 「セドリ」 「えっぽどのこと」 思い出のページ 「本の家」 「焼き芋のぬくもり」 「金次郎の愛読書…

一穂ミチ『スモールワールズ』(講談社文庫)

収録作品 「ネオンテトラ」 「魔王の帰還」 「ピクニック」 「花うた」 「愛を適量」 「式日」 「スモールスパークス(あとがきにかえて)」 ネットの紹介で気になっていた一冊。普段あまり読まないタイプの作家さんなので自分に合うか少々不安だったのです…

泡坂妻夫『11枚のとらんぷ』(創元推理文庫)

あらすじ アマチュア奇術クラブがショーのラストに披露した〈人形の家〉。その仕掛けから飛び出すはずの女性が姿を消し、その後マンションの自室で撲殺死体となって発見された。その死体の周りには、同じクラブ員の鹿川が著した奇術小説集『11枚のとらんぷ』…

購入本 2/29

今月の購入本まとめ(新刊購入のみ、読了本込み) ヴィヴィアン・コンロイ『プロヴァンス邸の殺人』(ハーパーBOOKS) ホレス・マッコイ『屍衣にポケットはない』(新潮文庫) ジョン・バカン『三十九階段』(東京創元社) フランク・グルーバー『レザー・デ…

森川智喜『動くはずのない死体 森川智喜短編集』(光文社)

収録作品 「幸せという小鳥たち、希望という鳴き声」 「フーダニット・リセプション 名探偵粍島桁郎、虫に食われる」 「動くはずのない死体」 「悪運が来たりて笛を吹く」 「ロックトルーム・ブギーマン」 どれ一つとして同じような話はなく、様々な趣向を凝…

ヴィヴィアン・コンロイ『プロヴァンス邸の殺人』(ハーパーBOOKS)

あらすじ 1930年、スイスで寄宿学校の音楽教師をしているアタランテは、疎遠だったパリ在住の祖父が亡くなったことで莫大な遺産と館を受け継ぐことになった。しかし相続にあたり、祖父が秘密裏に続けていた探偵業を引き継ぐという条件が付されていた。 引っ…

紫金陳『検察官の遺言』(ハヤカワ・ミステリ文庫)

あらすじ 地下鉄で騒ぎを起こした男が持つスーツケースの中に入っていたのは元検察官・江陽の遺体だった。男は著名な弁護士・張超で、元教え子である江陽の殺害を自供し、警察の捜査によってその証拠も見つかったことで事件は解決したかに思われた。しかし初…

ジョン・バカン『三十九階段』(東京創元社)

あらすじ 第一次世界大戦が目前に迫る英国。南アフリカから帰国した青年ハネーの前に謎のアメリカ人スカッダーが現れる。彼はあるスパイ組織によるギリシア首相カロリデス暗殺計画を知ってしまったとハネーに語ると、数日後、ハネーの部屋で何者かに殺されて…

ファビアン・ニシーザ『郊外の探偵たち』(ハヤカワ・ミステリ)

あらすじ 30年以上殺人事件とは縁遠い平和なニュージャージー州郊外のガソリンスタンドで店員が殺害された。保存中の現場に偶然出くわし子どもがお漏らしをしてしまったことがきっかけで、元FBIのプロファイラーで現在第5子を妊娠中のアンドレアは、今は落ち…

方丈貴恵『孤島の来訪者』(創元推理文庫)

『時空旅行者の砂時計』に続く〈竜泉家の一族〉三部作の第二弾。 あらすじ 今では無人島となっている幽世島(かくりよじま)では、45年前、島にいた13人もの人々が殺されるという凄惨な事件が起こっていた。その事件を題材にしたテレビ特番のロケを行うため…

方丈貴恵『時空旅行者の砂時計』(創元推理文庫)

主人公の加茂冬馬は、肺病を患った妻が重篤な状態に陥り絶望していた。すると突然謎の声が聞こえ、妻を救うには彼女の祖先を襲った“死野の惨劇”を阻止する必要があるという。いわれるがままに2018年から1960年にタイムスリップした加茂は、妻の祖母の双子の…

北村薫・宮部みゆき/編『名短篇、ここにあり』(ちくま文庫)

ミステリやSF、ホラー、文芸作品にいたるまで、北村薫と宮部みゆきの目利きが選び抜いた優れたアンソロジーでした。 収録作品 半村良「となりの宇宙人」 黒井千次「冷たい仕事」 小松左京「むかしばなし」 城山三郎「隠し芸の男」 吉村昭「少女架刑」 吉行淳…

購入本

楽天ブックスで買った本が届いた。 森見登美彦『シャーロック・ホームズの凱旋』(中央公論新社) 土屋隆夫『推理小説作法 増補新版』(中公文庫) はやみねかおる『少年名探偵 虹北恭助の冒険』(星海社FICTIONS) 紫金陳『検察官の遺言』(ハヤカワ・ミス…

有栖川有栖『46番目の密室』(講談社文庫)

何故だか自分でもわからないが、社会人になってからミステリは翻訳ものを多く読むようになり、国内作家も読むには読んでいるが、学生の頃よく読んでいた綾辻行人や有栖川有栖、法月倫太郎、二階堂黎人といった新本格作家はあまり手にしなくなっていた。しか…

購入本

楽天ブックスで買った本が到着。 ハビエル・セルカス『テラ・アルタの憎悪』(ハヤカワ・ミステリ/白川貴子 訳) S・S・ヴァン・ダイン『グリーン家殺人事件』(創元推理文庫/日暮雅通 訳) ホリージャクソン『受験生は謎解きに向かない』(創元推理文庫/服…

アレイナ・アーカート『解剖学者と殺人鬼』(ハヤカワ・ミステリ文庫/青木創訳)

あらすじ 監察医のレンは、殺人事件の報告を受け現場である沼地に向かうと、そこには腹部を切り裂かれた女の死体が水に浸かっていた。そばにあった被害者の服とともにあったのは一冊のホラー小説。実はこの事件の二週間前にも、水たまりでずぶ濡れになった若…

マージェリー・アリンガム『窓辺の老人 キャンピオン氏の事件簿Ⅰ』(創元推理文庫/猪俣美江子訳)

アガサ・クリスティー、ドロシー・L・セイヤーズ、ナイオ・マーシュと並び、ビッグ4と称されるマージェリー・アリンガムが創造した探偵アルバート・キャンピオンが活躍する日本オリジナル編纂短編集。 収録作品 「ボーダーライン事件」The Border-Line Case …